空はドンヨリと曇っており、走りだすと涼しさを通り越し冬用ウェアでも寒いくらいだ。東北道「西那須野塩原IC」で降り一般道に入った途端、大粒の雨が降ってきた。
突然の雨でしばし休憩。左は鈴木さんのR69S、右は私のR60/2だ。 |
最近、重複国道にはそれぞれのルート表示が付けられようになって分かり易くなった。 |
その後も降ったり止んだりの天気で、さらに、山道で私の60のハンドルが何度か大きく振れだし止らない、経験したことがある人には分かると思うが、振れだすと恐怖で心臓が止まりそうになる。あわや、今回もリタイヤかと観念しそうになったが、休憩中にダンパーを閉めたら、その後は起らずホッとした。途中、寺本組3名と遭遇し、昼食は全員で喜多方にてラーメンを食べ、121号線を走り米沢に入った。
4時頃、会場である小野川温泉「河鹿荘」に着いた。オポーズドクラブの蜂谷さんらが出迎えてくれ、今夜は雨だからとブルーシートを何枚か用意していてくれた。この心使いが嬉しい。
体が冷え切っていたので、すぐに温泉に入り、しばし休憩後、宴会の時間となり、今回は50名ほどの参加だそうだ。宴会も盛り上がり、恒例のジャンケン大会では鈴木さんがブーツをゲットして喜んでいた。
二次会は各部屋で行い我々の部屋では土方さんのフェリーでの××××の話で盛り上がったが一人、二人と就寝し、私も11時過ぎには寝てしまった。
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いつもの宴会風景 |
主催者の萩原さんと蜂谷さん |
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ジャンケン大会で鈴木さんブーツをゲット!! |
親睦を深めてま〜す。 |
8月24日(日)
朝、目が覚めると外は土砂降りの雨だ。
記念撮影後、我々、旧車4人組(中島、鈴木一、寺本、湯本)は皆さまに別れを告げ、土砂降りの雨と寒さの中を、13号線を北を目指し黙々と走り、山形市、新庄市を抜け、横手より秋田自動車道に乗り、北上JCTより東北道に入り、「花巻南IC」で降り、今日の目的地、鉛温泉を目指すが、ますます雨足が強くなってきて、鉛温泉に着いた時にはバケツをひっくり返したような雨となっていた。
鉛温泉・藤三(ふじさん)旅館はレトロな感じの木造3階建てで見上げる大きさだった。体も冷え切っていたため、すぐに名物「白猿の湯」に入る。そこは地階にあり、お湯は湯船の底から源泉が噴出しており、深さも125cmあり立って入る温泉で珍しい。それに天井は3階まで吹き抜けとなっており気持ちが良い。
ここは湯治場としても有名で売店には日用品や自炊用の食料品も置いてあり、夜食なども買い込み、夕食後、二部屋に別れて就寝した。
8月25日(月)
今日も天気は今一のようだ。
今夜の宿、乳頭温泉郷までは直線で約100km。それでは、着くのが早すぎるので、(本当は八幡平の方を回る予定であったが、天候が悪そうなので断念)花巻市の宮沢賢治記念館をたずねる。
今回のツーリングを象徴するような言葉「雨ニモマケズ風ニモマケズ」は知っていたが、いろんな分野で活躍しているのと著書が多いのにはビックリした。
その宮沢賢治は岩手を理想郷としてイーハトーブと名乗ったらしいが、横浜だったら差し詰めヨーハトーブかな!?
それから鈴木さんの提案で北上山地最高峰の早池峰山(はやちねさん)を目指す。途中「道の駅はやちね」で記念写真を撮り、ワインディング楽しみ、標高を上げて行くと雨になってきた。景色も雨でけむっていて殆ど見えず一気に麓まで降りると雨は止んできた。早池峰山の麓を半周の途中、「道の駅やまびこ館」で昼食のラーメンを食べる。
そう言えば、今回はソバを食べていない・・天候が寒くてその気にならないのだ。
早池峰山、登山道入り口にて |
盛岡市内を抜ける際には、先月「みちのくミーティング」の時、冷麺を食べた「食道園」の近くを通り、46号で田沢湖を目指す。田沢湖に着くと右折し山を登ると乳頭温泉郷がある。
途中、わき道に入ると突然ダートが現れ、それを進むと行き止まりになり、目的地「鶴の湯温泉」が目の前に現れた。そこは、江戸時代にでもタイムスリップした佇まいだ!!門の前で記念撮影する観光客も多い。
さすがに、日本一有名な秘湯の宿のことはあります。
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鶴の湯入り口 |
本陣では部屋食。 |
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温泉棟へ続く木の橋 |
本陣一の前にて |
受付を済まし、我々の部屋は人気の高い「本陣の部屋」の中でも1番人気の部屋だそうで、部屋番号も「本陣一」。その本陣の建物は350年前のたたずまいをそのまま保存しているそうで、泊まれる部屋が4部屋しかないという、半年前に予約した甲斐があったというものだ(建物は古いが部屋のトイレはウォシュレットだ)。
部屋に入ると灯油ランプが灯り、囲炉裏には火をおこしてあった。そこで、寺本さんと、湯本さんが濡れたお札を乾かしているのには笑ってしまった。
食事の前に早速有名な露天風呂に入るが白濁した温泉は濃厚で、天気もすっかり良くなり山あいが夕陽にそまり、ひなびた風情とマッチし、はるばる来た甲斐があったとしみじみと思った。
食事も囲炉裏で焼いた岩魚(イワナ)、名物「山の芋鍋」の団子汁など、全てが美味しかった。
8月26日(火)
今日は久しぶりに、朝から良い天気だ。
早々に、露天に入るが、昼間は日帰り客で相当混むらしいが、夕方から早朝は泊り客だけなので、貸しきり状態で温泉を堪能する。
鶴の湯温泉 |
標高があるせいか、空の深さは秋の気配です |
朝食後、寺本さんと湯本さんは自宅へと帰っていった。
それからは、いつもの鈴木さんと私の二人旅となり、まず、日本で一番深い湖、田沢湖を右回りで半周し「たつこ像」の前で休憩したり、角館(かくのだて)では武家屋敷を見学したりと、天気が良いのでのんびりしていたら、思いがけず時間をくってしまい、今夜の宿まで日本海側を通るコースをとったこともあり、携帯ナビで距離を測ると時間が無い。
それからは、休憩は「道の駅にしめ」での昼食のみで、ひたすら、7号線を走り、途中、鳥海山を横目で見ながら「酒田みなとIC」より山形自動車道へ入り一気に村田JCTより東北道へ入った。ただ、山形自動車は休憩所も少なくスタンドも無いので危うくガス欠になる所だった。地方の道路はバイパス化され良くなったが、殆どが山間部を走っているのでスタンドなど無くガス欠には注意しないといけない。
国道7号線をひた走り、右側には日本海が広がる。 |
東北道「福島飯坂IC」で降り13号線で米沢方面に走り途中左折し山道を登ると、途中から林道コースとなり、我が60だとローでもやっとの急坂が続く。(帰りの下りはもっと怖かった。掲示板にも書いたが1100だと転んでました))
乗用車だとスイッチバックしながら登るらしい。だんだん回りは暗くなってくるし、暗くなる前に宿に着くのか不安になってきた頃、やっと、姥湯温泉「枡形屋(ますがたや)」が見える所に着いた。ところが、駐車場は手前にありそこから歩かなくてはいけない。駐車場にバイクを停め、吊り橋を渡り、目の前に見える宿を目指し、荷物を担いで(私は荷物が多い)急坂を登り、10分ほどの距離だったが私は疲れのあまりロビーに倒れこんでしまった(少しオーバーだが事実です)。
この日の走行距離、約450km、一気に走りきったが、旧車もよく頑張りました。
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駐車場より、吊り橋を渡り、急坂を登ると宿に着く!! |
500年近く続く、その宿の回りの風景は秘境の一軒宿だが、宿自体は最近建て替えたばかりで立派な建物だ。
疲れていたので、すぐに風呂に入りたかったが、食事を先に済ませ、露天に向かった。露天の周り以外は漆黒の闇だ。湯煙の向こうに星が見える。我々意外は誰もいなかったので、ゆっくりと露天を楽しんだ。
8月27日(水)
本日も快晴である。起きて直ぐに露天に入る。昨夜は真っ暗で何も見えなかったが、周りの景色はむき出しの岩肌で荒涼としていていかにも秘境という雰囲気と、更に、空気も澄んでいて気持ちが良かった。ふと、見上げると山の頂に2頭のニホンカモシカがいた。
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↑山奥の本当の一軒宿、周りは山だけ
←露天風呂「大日の湯」青みがかった白濁湯が特徴だ。
正面の崖ににニホンカモシカが見えた |
今日は家に帰るだけなので、のんびりと支度をし、9時頃宿を出る。またもや、途中ガソリンスタンドが無くあわや、今日もガス欠になりそうだったが無事に昨日降りた東北道「福島飯坂IC」より高速に乗り、今回はソバを食べていなかったので、途中「栃木IC」で降り、いつものそば屋「大越路(おおこえじ)」にいったら何と休み!!
仕方無く別のそば屋で食べたが、やはり、今一だった。
その後は淡々と走り、夕方6時頃に横浜の我が家に無事到着した。
皆さん、お世話になりました。
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