■今年も修理ング
いつもの合流ポイントのコンビニ手前で、会長菅原さんがカウリングの中に手を入れながら走っている。
するとカウリングの奥から煙がっ!
急遽、駐車場でライトケースを外しワイヤーハーネスの一部を切断することで事なきを得たものの、その後の修理ングツーの始まりとなることをだれが予想しえたであろうか?
駐車場では、小野寺さんのグリーングッチのカーにJSCの小見会長の姿もあった。
第2集合ポイントの「バイクの森おがの」では高橋さんが電気トラブルに見舞われるも菅原さんの予備パーツで修理完了。
群馬の田中さんと秘湯の会の大槻さんご夫妻も到着。
「バイクの森おがの」にて |
偶然、駐車場に居合わせたEMLのオーナーが田中さんのEMLを見て言葉を交わしている。ステアリングダンパーの情報交換のようだ。
気温は一層暑くなってきた。
これからは急勾配の登りと狭い道路が始まる。
国道299号志賀坂トンネルを抜け恐竜センター「恐竜王国 中里」を過ぎたあたりでアンダーカウルに小石の当たる音がしたが、気にも留めず暫く走るとブレーキを掛けた時に異音がする。
強く掛けると更に異音が大きくなった。
後輪ブレーキとエンブレを多用しながらやっと休憩ポイントである道の駅「上野」に到着。
早速ブレーキの点検を行うと、アールズに止めてあるブレーキの取り付けボルトが無くなっていた。小石の跳ねた音はナットの外れた音であったのだが後の祭り。
幸いフェンダーステーのところでブレーキはかろうじて止まり間一髪セーフ、止まっていなければブレーキキャリパーが回転しブレーキホースを引きちぎっていたかもしれないところだった。
これを見ていた幸ちゃんがトランクから各種ネジのビンを取り出し、その中の合うネジを見つけ取り付け完了。作業を見ていた山田さん「帰ったらロックナットに換えたほうが安心だよ」とのアドバイス。ごもっとも。
ここから十国峠(じっこくとうげ)を目指します。JAL墜落の慰霊碑を過ぎ、下仁田との分岐から道幅は極端に狭くなり、先頭を走る、杉山さんの無線から対向車の情報を得ながらグングンと高度を上げて行きます。
ピークはまだかと狭い道の折り返しを繰り返しながら見慣れた峠の頂上へ到着。
十国峠はR100RSの短いハンドルでは腕が痛く、もうこの峠は来たくないと思ったりするものの、時が過ぎるとそれもなつかしい思い出に変わったりするから不思議だ。
小休止するとソロのRSがオイルの異常消費のこと。
仲間からオイルが提供された。それにしても仲間のトランクはトルクレンチなど工場備え付けの工具類はもとよりチューブ・オイル・ワイヤー類などは当たり前、スペアバッテリーやオルタネータ、イグニッションまで携行している仲間もいて驚きだ。
サイドカーはこれらのことで多少重くなっても荷物が多く積めることがソロとの違いで強みであり、我らの仲間は車やバイク関連のプロも多くトラブルには心強いかぎりだ。
■寒さがこたえる麦草越え
ここから長野県でルートは佐久町を左折し八千穂から麦草峠(むぎくさとうげ)を経て現地入りすることに決定。高度を稼ぎ八千穂高原で休憩となるが気温はぐんと下がる。
慌てて、厚着に変更。
峠からやって来たライダーによるとこの先バイクの人身事故で、渋滞が始まるとの情報が寄せられるも挫けず進むことに。
麦草峠は国道の中では日本で2番目に高い標高で八ヶ岳の丸山(2、330m)と茶臼山(2,384m)の間の2,120mもある標高だ。
道を登るにつれ路肩には残雪が…。
峠を下りたあたりのヘアピンで数人のライダーが事故現場で交通誘導をしながら救護を待っている。
坂を下る途中で救急車と行きあったので一安心。
茅野の蓼科高原を右折しビーナスラインから白樺湖手前を曲がると八子ヶ峰高原だ。
白樺湖 |
「八子ヶ峰高原ホテル」前の駐車場には全国から到着したサイドカー仲間とメーカーのテントも多く並んでいる。
そこへドマニの吉野さんが到着。上信越回りで渋滞もなく来られたとのこと。1,000円高速は日にちと時間帯が一番影響するのかなと思った。
毎年感じることは、JSCメンバーの顔ぶれに大きな変化はなく、
新人参加者は最近あまり増えていない感じがする。
オートバイメーカーも少子高齢化に加え若い人の大型バイクの需要が以前ほど伸びないと聞く、ましてはサイドカーを所有となるとなれば駐車スペースも乗用車分のスペースが必要などの条件が加わり敷居が高い、
新人の参加などで新陳代謝がなければ毎年このようなイベント開催も将来は難しい時期がやがて訪れるのではと危惧を感じます。
■楽しく過ごした抽選会
受付を済まし、参加メンバー表を見ると3日間のエントリー数は約200名で西は熊本や佐賀県、北は秋田や山形県からとBMWフェスティバルと同様、遠路はるばるやってくる兵(つわもの)もいる。ただソロと違い渋滞を考えての行動は大変である。
さて、山越えで腕が張った体を風呂で休めると食事の時間だ。
いつものように日本酒グループと焼酎グループ(ワインを所望した方も)、私はビールとそれぞれ空き瓶が築かれるうちに抽選会が始まった。
今回は、飲食最中での抽選会である。
以前のように食事がメインで2次会での抽選では退席される方や風呂に入りたい方などに配慮されたらしい。
我らもそれなりに良い景品が当たり満足の顔が並ぶが、主催者はこれら景品を確保するのに苦労をしたのではと思った。
■御牧の「読書の森」で山羊と戯れる
2日目は7台で「読書の森」へ望月町から浅間山を見ながらの裏街道を走って、お茶しに行くこととした。
「読書の森」近くの一筋の道は以前NHKで放映された司馬遼太郎の「街道をゆく」のオープニングの部分で使われた道だ。
「読書の森」にて(ブログより転載) |
ここへ皆と来るのは今回で2回目だ。ママさんが、最近、西洋の山羊や羊を育てていてその乳で作ったミルクやヨーグルトもおいしいですよとのことでその山羊さんたちを見ることに。
裏の坂を上ると何とも可愛い顔をした山羊とロバを見つけた。
頭をなでるコツは、後ろから近づいては動物的本能で噛まれたり蹴られたり危険な目に遭うこともあるので前から近づくことらしい。
さっそく高橋さんは前から歩み出て山羊さんとすぐ仲良しに。
昼食は皆さん昨夜のお酒が効いたか蕎麦が良いと意見一致。
小諸の「中棚荘」(島崎藤村縁の温泉宿)から望月町の「職人館」へと続くその街道の途中に「読書の森」がある。
この道筋で地域特性を活かした生業をしているそれぞれのご家族のお店を自ら「へんくつ街道」と名づけておられるとのことだそうで、そのへんくつ街道メンバーの手打ち蕎麦屋「職人館」へ。
店は満席で注文を受けてから打つため長いこと待たされることに。
途中で群馬ナンバーのリジットのハーレーライダーは尻が痛いと尻を擦りながらやって来たものの、多くの客待ちで諦めてまた尻の痛さが続くのかと重たそうなキックを降ろし立ち去った。
何組かが出て行きやっと入店できたものの、その後も更に待つこと1時間余り。
我々はここまで待ったのであるから意地でも食べていくぞ………。そして出てきた蕎麦は腹の空き過ぎで味が判らないほど急いで食べてどこに入ったかわからなく昼食は終わり。
ホテルに戻るルートは近道することに。ナビで最短ルートを検索し、進むとゴルフ場に進入したりして何度か引き返し山道にはナビになじまないことを学習した。
狭い道のターンが大変なドマニへは申し訳無いことをした。
会場に着き今日もいろいろなサイドカーを見学。
ツンダップKS750の牽引やR12、R75などの戦前の車両を久しぶりに見ることができた。また、変り種としてクラブスリーのモンキーはBMW旧タイプを感じさせる子持ちラインやアールズ+スタイプサイドカーの特徴が良く出ている造りでした。
■ 最後の修理ング
いよいよ、本日は最終日となった
田中さんはステアリングダンパーの修理を上田市の新井特殊製作所で行うとのことで、帰りはクラブのメンバーと別れ、R50ソロの矢野さんとご一緒することになった。
我らは、丸子から平井寺トンネル有料道路経由で別所温泉方面に進むことにした。
以前の松本・諏訪方面から上田へは、独鈷山など険しい山々で阻まれ丸子周辺は慢性的な渋滞となっていたそうだが、その後44億円を投じ1985年有料道路として開通され大幅な時間短縮がされたルートだ。
大門峠を越して下りの道すがらレッカー車がトラックを吊り上げていた。ガードレールを突き破った運転席は崖の上に突き出し転落は免れたもののドライバーは肝を冷やしたことだろう。
平井寺トンネルを過ぎ別所温泉手前で右折すると急斜面の道路を上がったところに新井特殊製作所はありました。
余談だが、長野県東部の東信(とうしん)地方は私が個人的に好きな場所で、その山々に囲まれた田園風景は昨年上映されたアニメ「サマーウォーズ」で上田盆地を走るサイドカーの描写がされるなど、多くの方の心に安らぎを与えてくれる場所と思います。
今回も腕は痛いながらも楽しいツーリングとなりました。
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