紀伊半島一人旅・世界遺産を訪ねて
2004年11月7日〜9日 
横浜の中島(R1100RS)
11月7日(日)
午前11時、皆さんと別れフェスティバル会場を後にした。これからは、昨日の宴会の余韻にひたりナビ頼りの紀伊半島一人旅の始まりです。

まず今日の宿泊地「那智勝浦」を目指して260号から42号へと進み南下する。尾鷲市から山越えのコースをとり道の駅「きのくに」にて昼食をとる。熊野市辺りから左手に太平洋が現れ、海岸にはいろんな岩が増えてくる。その一つ有名な「獅子岩」を見物。それは獅子というより鷲(ワシ)かR1200GS?に見えるのは私だけでしょうか?ともかく、波や風など自然が創り上げたその姿に感心しました。

紀伊半島を一周する42号は夏などは大渋滞するらしいがシーズン外れということもあり、すいており快調に距離を伸ばす。すると、道路脇に派手な「のぼり」が目だってきた。世界遺産の案内板だ。いよいよ目的の一つである熊野古道も近づいてきたと胸躍ったが、それからも「のぼり」は次から次へと現れます。それもそのはずで世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の所在地は和歌山・奈良・三重の3県にまたがっており、紀伊半島の殆どの旧所、旧跡が登録されているのだ。
その世界遺産の一つ、那知山へと向かい日本一の大滝
那智の滝、「野那知大社(くまのなちたいしゃ)」などを見学。大社に至る表参道の473段の階段はきつかったが、それらは素晴らしいものであった。参道の帰りに売店のおばちゃんに聞いたところ有料道路を通れば大社の側まで車でも登れるとの言、「早く教えてよっ!」本当に階段はきつかった。

途中、熊野古道の一つ大門坂(だいもんざか)に寄る。その古道の両側に樹齢800年の老杉がうっそうと茂り薄暗く、幽玄の世界へ一歩の感じで、やはりここは霊場への道だと実感させられた。
5時頃になると陽が落ちてきて辺りも段々暗くなってきたので、先を急ぎ、本日の宿、南紀湯川温泉「恵比寿屋」【地図】へナビを頼りに到着する。こじんまりとしたその宿は源泉の温泉付きで、一泊二食付きで7,000円とリーズナブルでライダー1人旅にはもってこいの宿でした。でも周りには何も無し、明日のツーリングコースを決め早々に就寝した。

11月8日(月)
今日は串本、白浜を通り十津川を抜け奈良までに行くことにする。なぜ奈良まで行くことにしたかは、日本での世界遺産第1号の「法隆寺」をどうしても見たくなったからである。ナビで距離を測ると約300kmあり途中見学しながらの一般道での走行として結構あるが何とかなるだろう。奈良ではビジネスホテルにでも泊まる予定にした。

すがすがしい空気の中を気持ちよく42号を走る。この天気良し、季節良しの空気の澄んだ中を走るのは最高に気持ち良い。

時間が無いので樫野崎灯台(かしのざきとうだい)で有名な、紀伊大島潮岬へ寄れなくて残念だったが、「ここは串本 向かいは大島 なかをとりもつ巡航船」の串本を抜けるころには太平洋の色は青さを増し海岸沿いには奇岩が並ぶ、台風シーズンなどは相当に海は荒れるのだろうと思いつつ、途中「橋杭岩(はしくいいわ)」などを見学し、白浜までの約70kmの海岸線を走る。私は海岸線を走る場合は左回りと決めている。なぜなら、左側を通行するとよく海が見えるからだ。今回も左回りを決行だ。(単純です!!)

白浜を通り過ぎて42号と別れ右折し311号へと入る。この道は「熊野ロマン街道」と名づけられていて、道路は整備されており思い切りワインディングが楽しむことができた。途中、道の駅「熊野古道中辺地」へバイクを止め道の向かい側の熊野古道を見学する。周りにはここ道の駅に車を止めて古道探索の観光客が平日にもかかわらず結構多い。休日だともっとすごい人出であろう。
311号から168号に左折するとすぐの「熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)」にお参りする。ここは全国各地に300以上ある熊野神社の総本山だ。社殿の前に立つといかにも神様が鎮座していますという佇まいに思わず居住まいを正す。でも、何故、神社は階段が多いのだろう?ここも階段が多い!!やはり、神様がバイクなどばかり乗らずにたまには運動でもしろとも言っているのでしょか(^。^)

168号は紀伊半島の真ん中の十津川沿いを走る別名「十津川街道」(司馬遼太郎の「街道をゆく」でも紹介されている)その曲がりくねった道をどんどん登りつめていく。行き先は今日の目的の一つである、そば屋「行仙」での昼食だ。先日のソバツーで教わった三たて(挽きたて・打ちたて・茹でたて)の手打ちそばが有名で、そこは道の駅「十津川郷」の2階にあり、入店して回りをみると「鮎そば」を食している人が多い。私も鮎そばを注文したがさすがに美味しかった。

奈良へ続く五條市までは山の中といえ一本道で分かり易いが、今年は台風が多かったせいか、がけ崩れで通行止めなどもあり、結構コーナーもきつくハードな道だ。しかし、川と木々とのコントラストが美しく景色は最高だ。途中、高所恐怖症の私として寄りたくなかったが、「谷瀬の吊橋」に寄る。高さ54m、長さ297m、人が通る所は幅約1m。怖い。ここを地元の子は自転車で渡るらしい。信じられない・・・

下り坂になり奈良県大塔村に入り道の駅「吉野路大塔」に寄る。ここは「星のくに」とも呼ばれ天体望遠鏡を備えたロッジなどが併設している。ここで、iモードのネットにて今夜の宿を近鉄奈良駅前のビジネスホテル【地図】に決める。後は奈良まで約50km走るのみ。奈良市内に入ると渋滞にはまり、ホテルに着いたのは夕方7時ジャストであった。

11月9日(火)
いよいよ今日は世界遺産巡り最終日だ。食事もそこそこに済ませ、ホテルからバイクで5分くらい走り、奈良公園前の登大路(のぼりおおじ)にバイクを止め、まず奈良の大仏さんで有名な「
東大寺」の大仏殿にお参りした。30年ほど前に一度来たことがあるが、前に来た時と今とでは感慨深さが違うような気がする、それだけ年をとったのであろうか、それとも、バイクではるばるやって来たからであろうか。奈良公園を探索し、「興福寺」の五重塔(高さ50m、奈良では一番高い建物)などを見学する。

次は最終目的、日本世界遺産第1号、新札では消えてしまったが、お馴染の聖徳太子(いや、大工さん)が建てた「法隆寺」だ。その法隆寺までは奈良公園より約20〜30分走ると着いた。「南大門(なんだいもん)」前に停車し法隆寺に入ると全てが国宝の世界だ。五重塔や金堂などは世界最古の木造建築物だし、全てに圧倒された。私、その中でも特に印象に残ったのは「百済観音像」で、その八頭身の優美な姿に魅入られてしまいました。

もっと、ゆっくり見たかったけれど、我が家、横浜まで500km、ちょうど12時の法隆寺の鐘の音を聞きながらエンジンスタート。
西名阪自動車道「法隆寺IC」より乗り名阪国道を通り、高速に入る。東名高速は集中工事のわりには渋滞は少ないものの、片側一車線走行が多く80〜100km/hでの走りとなり、我が家へ着いた時は8時を過ぎていた。

今回はとにかく、駆け巡ってきたという感じであったが、私自身、もう一度はゆっくりと回りたいコースでもありました。いつかは、又、走りたいと思います。

  ↑法隆寺 南大門前にて

谷瀬の吊橋

奈良の大仏様

法隆寺 南大門

五重塔と金堂

法隆寺 夢殿

東大寺 大仏殿

三重塔と那智の滝

橋杭岩

熊野古道

十津川街道
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熊野・高野・吉野世界遺産の地を歩く旅 熊野・高野・吉野世界遺産の地を歩く旅

著者:
出版社:電気通信出版/山と渓谷社
本体価格:1,705円
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