1983年掲載
スポーツファンの心を沸かせたサイドカー

去る11月20日に行われた「東京国際女子マラソン」テレビ局の撮影車に
ホンダGL1100が使用され新たなバイクの利用価値が注目された。


 
(文中のまま)
 新聞のスポーツ欄を開くと毎日のように、来年のロサンゼルス・オリンピックに向けて行われている日本代表選手の選考会の記事でいっぱいだ。11月20日に外国招待選手を交えて行われた「84年東京国際女子マラソン選手権大会」も、オリンピック日本代表選手の選考会を兼ねるものだった。

 ところで、この大会をテレビ朝日が、スタートからゴールまでの一部始終を生中継で放送したわけだが、ご覧になった方はその映像が今までとちょっと違っていたのに気付いただろう。ランナーの目線よりズーッと低いローアングルから、しかも左右自由に動き回っての変化ある映像に。

 実はなんと中継カメラの移動にサイドカーを使用しての力撮だったのである。前回までは、車の上から一定のアングルでしか撮りえなかったものを、行動範囲の広い、動きの自由なバイクを利用しての撮影にチャレンジしたのには感心。アイディア賞モノである。

 この大会での中継は、視聴者に、ユニークな新しい映像を楽しませてくれたわけだが、同時にバイクの新たな利用価値を社会的に広げてくれたようであった。
ちなみに、バイク上のカメラから撮影された映像は、一度上空のヘリへ送られヘリから東京タワーへ、そして各家庭のテレビへ中継されたのである。
写真撮影 打田 稔